紅梨の気分で更新されたりされなかったり。気まぐれブログ。
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曇りガラスに指を滑らせて描いたただの落書き。そんなものが、まさかこんなとんでも無い災いを招いてしまうだなんて、一体誰に想像できただろう。
とにかく、誰でもいいから、今俺の目の前でうつ伏せて倒れているこの屍をどうにかしてくれ。
『ガラスに落書きすると跡が残って消すのが大変だからやめましょう。』
使い古して少しよれている自室のカーペットに散らばる金の絹糸の如し長髪を、俺はただただ驚愕に身を凍らせながら見つめていた。顔は金糸に埋もれて見えないが、これは明らかに人の形をしている。その美しい造形から、もしやマネキンなんじゃないかと思ったが、そもそもマネキンが何の変哲もない天井から自室のド真ん中に落ちてくること事態あり得ないし、というかそれ以前に、コイツの方からは寝息のような音が聞こえているし、よく見たら、僅かながらも肩が上下している。これを生物と取らずに何と解釈しよう。
それでは、一体コイツは何なんだ。
今すぐこの場から逃げたい気持ちに苛まれながらも悶々と頭を悩ませる。が、浮かぶのは疑問ばかりの堂々巡り。解決の糸口は全く見えてこない。一体どうしたものか……と途方に暮れ始めた頃、ソイツはピクリと身を震わせ、髪にまとわりつかれた顔を此方へと向けてきた。開ききらない瞳に蒼を宿した端正な顔つきに、思わず息を呑む。
そしてソイツはゆっくりと口を開いて、澄んだアルトを響かせて言った。
「腹減った……」
《続く(かも)》
紅梨より一言言わせてください……なんぞこれww
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